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単相全波整流レギュレータ

半波整流-半波短絡制御のタイプが考え通りに動作したので、次は全波整流-全波短絡制御のタイプを考えてみました。このタイプの試験台が有れば良かったのですが、CM125Tは全波整流-電圧制御無しのタイプだったので参考に成りません。


いきなり頭の中で回路を考えることになります。冗長で格好良くないですが、前回実験済みの半波制御タイプをひっくり返して2個装備すれば間違いなく動作するとは思います。回路はこんな感じで。 ここには回路図があります。

回路がパッとしない件は置いといて、まずは基本的な方式に関して考えてみました。

電圧の検出を交流側で行うと言うことは、ダイオードの電圧降下とかその後の配線の電圧降下などを無視して制御することになります。従って精密な制御は基本的に不可能です。しかしダイオードだけのシステムに比べたら大きな進歩でしょう。

メリットもあります。それはレギュレータが壊れない限りは確実に過電圧を防止してくれる事です。直流側に検出線を設けて検出するシステムの方が精密な制御の可能性が有りますが、検出線回路中に接触不良とか断線などが有ると過電圧が発生してしまいます。

オートバイの配線は車より雑な扱いを受けることが多いです。整備の途中で誤って検出線を接続せずに運転してしまう可能性も有ります。また電装品を考えも無しに外したり配線を切ったりする改造や、検出線を使わずに他車に流用する例などを見ていると、「動くか動かない」しか存在しないフールプルーフな考えも必要なのかなとも思います。

回路上でのメリットの一つとしてダイオードの交流側に検出回路が有るため、スイッチオフの状態で検出回路へバッテリー電流が流れ込む心配とか、電圧の高い充電器を繋がれる心配とか、24V車からジャンパーされる心配とか、、、をしなくても良いことが有ります。


上記の回路は部品点数が多くて面倒に感じたので試作していません。もっと簡単な回路で実現できないかと考え、思いついたのが次の回路です。

2個のサイリスタを1個のトライアックで置き換えました。凄くまともな進化です(笑)。検出回路は依然として2個ですが、部品は出来るだけ減らして見ました。安定性とか確実性の面でちょっと問題が有るかもしれません。。。 ここには回路図があります。

これならトライアックの足にダイオードを半田付しただけで実験可能です。直ぐに試してみました。 ここには実験中の画像があります。

過電圧制御が入ったときの入力側の波形です。予定通りの動作が出来ました。 ここには動作波形が有ります。

単純な回路ゆえ、抵抗値などで電圧の調整が出来ません。それらしい値のツェナーダイオードを付け替えてみて、必要とする電圧に合わせ込む事に成りそうです。

この方式は悪くない気がするので、レクチファイヤしか付いていないCM125T用としてきちんと纏めて実用品に仕上げようと思っています。



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