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薪ストーブ 導入決定から機種選定

2005年に福岡の実家に帰ってきてから、薪ストーブを導入しようと考え続けてきました。動機は他の人と同じ様な理由で、石油を使わない又は減量が期待できること、石油の排気を吸って生活しなくても良いこと、ほぼ毎日家の廻りでごみや木の枝を燃やす両親の行為を止めさせる理由にしたいこと、家の廻りの廃材を処理したいこと、荒れた山の風倒木や竹を少しでも片付けたいこと、等でした。

今の石油ストーブのシステムは洗練されているために、薪ストーブを導入したとしても福岡の地で経済的なメリットが出る可能性は低いだろうと思っていました。とは言っても明らかに不経済なのは困りますから、導入費の償却も含めた経済性も判断材料の一つでは有ります。

色々と考えながらも実行に移せず、ギリギリのタイミングになった慌て始めるのは私の悪いところです。考え続けて2年が過ぎた2007年の晩秋、お尻に火が付いた私は動き始める決心をしました。

今はインターネットでかなりの情報が得られます。しかしその情報は個人が発信する内容であっても、あくまでもインターネットというフィルターが掛かった情報でもあるわけです。そのために実際に使っている所を見てみようと思い、近所のユーザーを見て回ることにしました。


ここにはM邸の画像があります。

2kmほどの地点にあるM邸です。息子同志が同級生で友人なのは知っていましたが、薪ストーブを使っていることは知りませんでした。2000年頃に新築されただけあって新しくて綺麗な家です。

ストーブは廻りが薄手の鋼板製で内部の火室は耐火煉瓦で覆われています。上面にスリットがあってそこから熱気が出てくるような構造でした。大きめの薪を入れておけば、朝までおきがかろうじて残っている様な話です。

この家の特筆すべきは部屋の配置で、薪ストーブでの暖房を前提に2階への吹き抜けや部屋への暖気の流れが考えられています。そのために冬でも薪ストーブ1台で他の暖房は使っていないそうです。

実際におじゃまして感じたのですが、晩秋の肌寒い日でしたが暖房無しで室内は暖かでした。窓は全て断熱の2重サッシで高気密・高断熱の今風の構造。我が家基準なら真冬でも暖房無しで過ごせると思える程でした。


ここにはR邸の画像があります。

こちらは違う方向に2kmほど行ったところに有るH邸です。こちらも息子同士が同級生で友人です、類は類を・・・?。

この家に薪ストーブが有るのは知っていました。しかししっかりと見たのは初めてです。驚いたことにこのストーブは石で出来ていました。高そうなストーブですが、旦那がアメリカ人でなんでも自分で輸入したり施工したりする人なので、そうとう割安に取り付けた物と思われます。

部屋の配置はM邸ほど暖気の流れに気を遣っては居ないように感じました。とは言ってもこちらも2重サッシに高断熱の家。我が家とは比べものに成らないほど暖かな秋の日でした。


ここには我が家の画像があります。

ところ変わって我が家。前の2軒と比べると悲しく成るくらい立派な田舎の台所です。あまりにも酷い床だけは張り替えましたが、向こう側の壁がベニヤ板で隠されたままだったり、纏まりのない家具や配置がいかにも今の普通の田舎的で素敵です(笑)。

窓は木の枠に1枚ガラス。顔の高さを変えれば隙間から外の明かりが1本の筋で見えます。断熱材など存在しない代わりに結露とも無縁です。低断熱・低気密というか無断熱・無気密の健康住宅です。

左下に写っている石油ストーブで暖を取っていますが、暖かいのは前方の半径1.5mくらいの範囲だけです。このような住宅に大型の薪ストーブを導入したとしても、直前だけがアッチッチになって全体は参考にした家ほどの暖房効果が得られないのは誰の目にも明らかでした。


ここには選定したストーブの画像があります。

色々と悩んだ末に選んだ機種はこれです。中国製で42,800円。他の機種も考えたのですが、北米や北欧製の高機能なストーブは国内ではあまりに高価です。それに高機能な2次燃焼システムは廃材や竹まで燃やそうと考えている私の用途に合っていないような気がしました。

もう一つは隙間だらけの我が家です。こんな家に薪ストーブを入れたところで、小さな石油ストーブと大差ない結果に落胆してしまうのでは無いかと不安に成ったのです。高価な機種ほど落胆の幅は大きくなります。42,800円ならそれなりの落胆で済みます。高機能な外国製断熱煙突1-2本分の価格です。

取りあえずコイツを購入して外で燃やし、悪く無さそうなら家の中で燃やし、具合が良ければそのままで使い、小さな不具合なら修正しながら使い、薪ストーブの構想は悪くないけど能力面で変更が必要なら機種変更しよう・・・。こんな感じの作戦としました。


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