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XS650(XS1B) 進角ガバナ

2,200rpm前後で点火タイミングが変になってしまいます。ガバナかポイントか解らないけれど、とりあえずガバナ側を弄ってみることにしました。


ここにはガバナの画像があります。

ばねは2個とも伸び気味でした。ばねが伸びていると言うよりも相手の穴が広がって初期状態でガタが出ていたのかもしれません。とりあえず部品取りのTX650の方が綺麗なのでこちらのばねに交換します。

それでも症状はほとんど変わらないので、今度はGX250のガバナからばねを外して交換してみました。GX250はばねの付いている位置が違うので、ばね定数が明らかに違います。2個とも交換したら無理があるのは明らかなので1個だけ交換しました。写真上側の素線が細い方がGX250のばねです。

1個だけの交換でしたが明らかに早い時期に進角が終了してしまいます。魔の?2,200rpm問題も、回転数がちょっと変わったけど依然として残っています。

対策として、最進角側のストッパにスポンジゴムを貼ってみました。進角が半分くらいまで進んだらスポンジが当たり、そこからは新しいばね定数で進角をコントロールするわけです。数十年前の乗用車ではよく見た構造です。

写真の通りにストッパ前面ではゴムが硬すぎました。最終的に幅が2mmくらいになるまでスポンジゴムをむしりとって、なんとかそれなりの進角特性を得ることが出来ました。


ここには進角特性のグラフがあります。

XS1の進角特性です。黄緑がオリジナルの特性です。アイドリングは13度から17度となっており、一応中央値の15度を起点にしてグラフ化しました。

青はGX250のばねを1個だけ付けた時の進角特性です。2,500rpmで最大進角に到達しています。いくらバキューム進角が無いとか、負圧の高い状態での巡航が多いとは言ってもやり過ぎのような気がします。

赤が現在の進角特性です。スポンジゴムの幅は2mmくらいの時です。40度まで行かないのは、圧縮されたスポンジがストッパになってしまうからです。ストッパの板を少し曲げてやる必要が有るかもしれません。

進角特性が改善されたと言うよりも、途中でスポンジに当たって振動が吸収されたような感じです。少しだけギクシャク感が解消されました。しかし依然として或る程度は残っています。これはポイントが踊っているのかもしれません。そいえばこのポイント、36年前のそのままです。。。

そろそろ交換してやっても良いのですが結構な値段がします。色々悩んでいたら150度まで使えるホール効果ICを見つけてしまいました。値段は1個が560円です。ポイントと置き換えるにはその他の部品や作業が沢山発生しますが、今更ポイントを買い直すよりもホールICで無接点化する方が魅力的に思えます。

ガバナの動きに関しても、ポイントを開閉する力がゼロになるわけですから相当スムーズに開閉が出来るようになるでしょう。。。たぶん。


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