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XS650(XS1B) フロントブレーキワイヤーの流用

XS1とXS650(XS1-B)のフロントブレーキはツーリーディングのドラムブレーキです。そのために操作ワイヤーが必要になってきますが、欠品となっていてヤマハからは出ません。部品番号256-26341-00です。

両端のタイコは半田で固定されていますから自作も不可では有りません。しかしフロントブレーキ関係だけは或る程度信頼性のある部品を使いたいと思いますし、他社種の純正部品が流用出来れば手軽です。

と言うことで物色してみると、同じヤマハのSR500/400のドラムブレーキがほとんど同じであることが解りました。お互いにゼロから設計を初めてここまで似ることはあり得ないので、SR500の設計時にはXS1の図面を参照しながら設計したものと思われます。

写真で見る限り金具類も同様の形状に見えたので、一か八かSR500のブレーキワイヤーを取り寄せてみました。部品番号1JN-26341-00で1,785円でした。2,000年まで生産されていた車種だけ有って容易に入手できました。


単体でおおざっぱな寸法を拾ってみました。XS1のブレーキワイヤーの寸法関係はこの図面です。
XS1 FRONT BRAKE WIRE.pdf

SR500のブレーキワイヤーの寸法関係はこの図面です。
SR500 FRONT BRAKE WIRE.pdf

両者を比較してみると、XS1の金具まで入れたアウター長が1132mmで、同じくSR500用の金具まで入れたアウター長が1075mmだと解りました。結局SR500の方が57mmだけ短い事になります。

アウターからインナーの出代に関してはタイコ形状の微妙な違いは有りますが、片側に寄せた状態で実質的に両者とも112mmで同じとなりました。

それ以外の微妙な違いとしては、XS1のロックナットは1個ですがSR500は2個付いています。SRのブレーキパネルは所有していませんが、加工上の改善で受け側のM8雌ねじが廃止されてバカ穴になっているのかもしれません。

その他では、レバー側の太鼓の表面に薄い金属板が巻き付けてあってブシュ的な意味を持たせて有るように思えます。色は黒です。オリジナルに拘る人には大きな問題かもしれません。


ここにはフロントブレーキワイヤーの画像があります。

とりあえず付けてみました。私のハンドルは750mm幅の物が付いています。学生時代に八幡の解体屋で購入したときからこれでした。しかしXS1の諸元では全幅が905mmになっています。諸元値はレバー幅と考えてもオリジナルのハンドル幅は800-850mm有ったのでしょうか?

SR500のブレーキワイヤー、私のXSにはぴったりでした。オリジナルの諸元よりも幅狭のハンドルが付いていますからその辺が丁度良く作用したのでしょう。オリジナルのハンドル幅だと厳しい感じです。

長さ以外には操作が劇的に軽くなりました。単純に新しくなった事に加えて、新しい世代の部品になった事も寄与しているのでは無いでしょうか。


これでしばらくは安心です。XS1からは36年経過していますがドラムのSR500からは6年しか経過していません。SRはそれなりに出荷されたオートバイです。SR500のワイヤーは今後20年くらいは出るでしょう。

同じ理屈でSR500用の社外品ロングワイヤーも使えそうです。SR用の150mmロングはXS1用の93mmロングに相当します。しかしこの分野に関しては何故か社外品の方が純正品よりも高価なので、純正で長さが合うなら社外品のメリットは感じられません。


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