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GX250 キャブのOH

放置車両修理の定番、キャブレターのオーバーホール。

結構な数の「汚い」キャブをいじってきたと思っていたけど今回は別格。結晶状の固形物とタール状のドロドロのダブルパンチでとにかく凄い。キャブクリーナーや灯油に数ヶ月漬けて置いても変化が無さそうな雰囲気。

内壁だけじゃなく、フロートの表面にも2mmくらい堆積物がこびり付いており、ピンをぬいても本体と一体化。やっと外してもバルブが固着して抜けない。バルブが抜けても中央のスプリングが固着、ジェットを外そうにも堆積物を数ミリ削り取らないとドライバーが入らない・・・外は外でスターターがピクリとも動かない。本体内の経路は全て詰まっている。ニードルジェットの小穴も全滅・・・


ここには汚いキャブレターの画像があります。

作業前の写真を撮る気力も無いまま、ゴリゴリ、ゴリゴリ削りまくった結果がこの写真。まだまだ沢山残ってはいるけれど、錐の先でガンガン突かないと外れないくらい強固な汚れ。それならこのままでも問題なかろうと判断してここで止めた。

不幸中の幸いで、全ての穴は開通したし損傷は一カ所もなかった。ダイヤフラムも破れてないしジェットニードルの摩耗もひどくない。このエンジンは解体屋で買ってきたヤツだけど、余り距離を走ってなかったのかもしれない。ちょっと嬉しい。


ここにはジェット類の画像があります。

磨きまくった、と言うよりも削りまくったジェット類がこれ。「ジェットは精密部品ですから、針金などを使ってはいけません」なんて言うヤツはレストアなんかやっちゃ駄目(^^)。

荷札、各種銅線、各種ワイヤーロープの素線などを動員したけど、以前ストレートで見かけたジェット掃除用の針金セットを買っておけば良かったと後悔した。今度行ったら買っておこう。

と、ここまでは程度が凄かっただけで普通の清掃作業だった。ところが


ここには内径の違うメインジェットの画像があります。

圧巻はこれ。傷だらけでサイズも読めず、しかも左右の内径が見ただけで違うメインジェット。年月だけじゃこうはならない(笑)。前の持ち主はどんな神経してたのか・・・流石にこれは買うしかない。

片方のプラグだけが焼けるからガスが薄い。そのためにそっちのメインジェットを大きくしよう。ドリルでゴリゴリ。俺って完璧・・・ヤッパ調子悪いや。ヤマハのエンジンは弱いからな・・・あぁ、お前の作業状況が目に浮かぶよ(笑)。


とりあえずここまでやって組み立てて、17年前のガソリンのままで数回キックしたらエンジンがかかってしまった。左右バランスはバタフライバルブの縁の位置を目視で調整。アイドルは基準回転だけ戻しただけ。それだけで結構安定してエンジンが回っている。

ブレーキ関係をやってないので動かすことが出来ないけど、なんか不思議で嬉しい。コーヒー飲みながらアイドリングをずっと眺めていた。


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