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3V出力のレギュレータ回路を試験する(その3)

RAMマウントでLegendを自転車に装着し、中央のアーム部分に回路をくくりつけました。ハブダイナモからのケーブルはフロントフォークとブレーキワイヤーに沿わせてテープで留めてあります。

外でGPSの電源を入れて走り出すと、瞬間的に外部電源に切り替わります。いつも走る埋め立て地までの道では電源断になることは一度もありません。路地の角でも10km/h程度の速度は出ているようです。

埋め立て地で低速の試験をしてみます。三本ローラと違って車体と体重の慣性が有るために、速度の維持が多少楽です。何回か試してみると、バックライトオフで7.2km/hが限界。バックライトオンで8.0km/hが限界だと解りました。

想像以上に低速まで粘ります。それに今まで意識して居ませんでしたが、8km/hという速度は走り出してペダルを1,2回廻すと出ている速度です。激坂でもない限り十分すぎる実用性です。


障害物の無い道では電源断になり得ないので、町中に出てみました。普段通らない信号の多い道を意識して通りました。流石に信号では電源断でカウントダウンが始まります。カウントダウンは30秒間有るのでその間にボタンを押してやればキャンセルされるのですが、ツーリングで疲れた神経には少し面倒かもしれません。

広い道の自転車通行可の歩道も走ってみました。人が居なければ20km/hは出ていますから、こちらも十分な速度です。段差で数回電圧低下になりましたが、すぐに復活します。

その後埋め立て地に戻り高速の試験をしましたが、少し問題が出ました。歩道の白ペンキや連続したマンホール等で、たまーーに振動による接触不良が発生しているようです。一瞬ですがカウントダウンのメニューが出てきてすぐに消えます。

ハブダイナモの取り出し口も相当チャチな構造ですが、たぶん組み立て式のeTrex用コネクタの板バネ端子の可能性が高いと思います。こちらはGARMIM純正の凝った構造のコネクタ端子を試してみれば良いのですが、電源ピンが装備されたタイプは非常に高価なので簡単に分解する気にはなれません。

速度自体は最大で55km/h程度まで出しましたが問題は有りませんでした。


実際に試してみて、非常に実用的で面白いことが実感できました。長時間のツーリングには最適でしょう。それ以外にもサイクルコンピュータの替わりにGPSを付けている場合、電池の交換や充電の管理が大変です。

そう言った場合にハブダイナモ駆動のGPSだと、電池を気にせずに常用することができて非常に気が楽です。この場合でも内部には瞬断対策用として乾電池の装着が必要ですが、アルカリより液漏れに強いマンガン乾電池を入れっぱなしにしておくのが良いかもしれません。

今後の課題はダイオードの電圧降下を改善して使用最低速度を改善することと、本来のハブダイナモの目的であったライトとの併用を考えることです。小径車の場合は今でも低速で十分すぎる電圧が出ているでしょう。本末転倒ですが、小径車が欲しくなってしまいました。

また別のアプローチとして、ハブダイナモは蓄電池をフローティング充電するだけにして、GPSやライトは蓄電池から電源をとる方法も考えられます。こちらですと昼間の電力を利用して、夜間にHIDライトを点灯させる事も不可能では有りません。


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